お盆を過ぎると、クマゼミやアブラゼミに代わり、いつの間にかツクツクボウシの鳴き声がそこかしこに聞こえました。「ツクツクツオーシ」と聞くと、「ああ、長い休みももうすぐ終わるな」という日曜日のサザエさんのような、切ない気持ちになったものです。ところが、この数年、ツクツクボウシの鳴き声があまり聞こえません。今年も2日前に1回聞いただけです。どうしたことでしょう? 近年の猛暑に負けたのか、クマゼミとの競争に負けたのか、あんなにうるさかったのに、聞こえなくなると、何か寂しいものです。
ところで、このツクツクボウシ、他のセミと違って歌を歌います。他のセミは、シャーシャーとか、ジージーとか、ミーンミーンとか、単純な音の繰り返しですが、ちゃんとイントロ、メイン、サビ、アウトロの整った一つの曲になっています。しかも途中で7拍子から5拍子に変拍子までしています。
こんな素敵な音楽家が、だんだん減っていき、消えていくかと思うと残念でなりません。






























